みなさんは「リボ払い」という言葉を聞いたことがありますか?
最近ではテレビコマーシャルなどでも紹介されており、見聞きしたことがあるという人も多いと思います。
クレジットカードには何種類かの返済方法がありますが、その中のひとつにリボ払いというものがあります。
日本では利用者数がそこまで多くない印象のリボ払いですが、アメリカやヨーロッパなどでは広く使われており認知度も高いそうです。
リボ払いは月々の支払い金額が変わらないため支出額が把握しやすく、家計を管理する上で大変役立つ支払い方法でもあります。
しかしながら巷で「やばい」といわれているように注意点ももちろんあり、利用する際はその危険性についてもきちんと把握しておかなければなりません。
そこで今回は、リボ払いについて仕組みやデメリットを含めわかりやすく解説していきます。
実はちょっと気になっている!という方は、ぜひその特徴を理解した上で利用を検討しましょう。
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リボ払いとは
リボ払いとは「リボルビング払い」を略した名称です。
リボルビングの由来は、英語の”revolve”(回転する)。
拳銃のリボルバーもこの単語からきています。
つまりカード会社や消費者金融でお金を借りた場合に、利用金額にかかわらず毎月一定額を手数料とともに返済していく方法のことをいいます。
例えば5万円の買い物をした際には次月に5万円を返済するのではなく、次月より毎月5000円を10回分手数料とともに払い続けることになります。
別の支払い方法である「分割払い」とよく似ていますが、分割払いは支払い回数を決めて返済する方法です。
対してリボ払いは、支払い金額を決めて返済します。
そのため高額商品を購入したとしても支払いはあらかじめ設定していた金額になり、手元に十分な資金がない場合でも支払いができるという特徴があります。
その反面、高額商品を購入した際には支払い期間も長くなるため、毎月の手数料で総額が高くなるので注意が必要です。
支払いをリボ払いにするタイミング
ショッピングの支払い方法をリボ払いにできるタイミングは、主に3つあります。
ひとつ目は、店頭でカード利用の際にリボ払いでの支払いを申し出るときです。
普段は一括払いで支払いをしているカードで高額商品を購入するときなどに便利です。
ふたつ目は、商品購入後にリボ払いに設定するときです。
商品購入時には一括払いでの支払いを指定していても、クレジットの請求額が想定以上に多いときなどに後から支払い方法を変更することができます。
みっつ目は、カード自体の支払い方法があらかじめリボ払いに設定しておくことです。
商品によって支払い方法を変更するのが面倒である場合や、店頭でリボ払いを指定することがはばかられる場合に便利です。
リボ払いの仕組み
リボ払いは、主に「残高スライド方式」「定額方式」「定率方式」の3種類に分類することができます。
残高スライド方式とは、支払い残高の増減にともない毎月の支払い金額も変わる方式のことです。
例えば支払い残高が10万円に届かない場合には毎月の支払い金額は5000円で済みますが、支払い残高が10~15万の範囲内にある場合には支払い金額が増額し1万円になるといった具合です。
定額方式とは、支払い残高の増減にかからわず毎月の支払い金額は変わらず一定であり続ける方式のことです。
例えばある月に高額な商品を購入してしまったとしても、毎月の返済は影響を受けず同額のままです。
定率方式とは、支払い残高に対し一定の割合(定率)をかけた金額を毎月支払っていく方式のことです。
例えば、支払い残高の10%を毎月支払うといった契約となります。
またこれらの方式はさらに「元利定額方式」と「元金定額方式」の2種類に分類することができます。
元利定額方式はその名の通り、一定額の中に支払い金額と利息が含まれています。
そのため支払い回数を重ね元金が減っていくにつれ毎月の支払い金額における利息の割合も小さくなっていきます。
一方で元金定額方式は支払い金額のみが一定で、その金額に応じて利息がプラスされるというものです。
カード会社によって定められている方式は異なるので、契約の際は必ず確認しておきましょう。
リボ払いを利用すると手数料はどれくらい?
リボ払いは、設定されている一定額+手数料を月々支払うことによって返済を行う方法です。
といっても、実際手数料がどの程度かかるのかすぐには想像つきませんよね。
リボ払いのひと月(31日)にかかる手数料は、以下の計算式によって算出することができます。
手数料=支払い残高×金利(15.00%)×31日÷365日
またネットで「返済シミュレーション」と検索すると、各カード会社による返済シミュレーターを利用することができます。
今回は試しにセゾンカードのホームページで、以下の条件にて「ショッピングリボ」の返済シミュレーションをしてみました。
利用金額 | 20万円 |
支払いコース | 標準コース(月払い1万円~) |
利用日 | 2021/02/01 |
年率 | 15% |
上記条件の場合、支払いは以下のような流れで進みます。
支払い開始 | 2021年3月 |
支払い回数 | 17回 |
支払い総額 | 218913円 |
手数料合計 | 18913円 |
支払い回数 | 支払い月 | 支払い金額 | 内手数料 |
1 | 2021年03月 | 20000円 | 1808円 |
2 | 2021年04月 | 20000円 | 2316円 |
3 | 2021年05月 | 20000円 | 2022円 |
4 | 2021年06月 | 15000円 | 1861円 |
5 | 2021年07月 | 15000円 | 1639円 |
6 | 2021年08月 | 15000円 | 1523円 |
7 | 2021年09月 | 15000円 | 1352円 |
8 | 2021年10月 | 10000円 | 1140円 |
9 | 2021年11月 | 10000円 | 1065円 |
~ | ~ | ~ | ~ |
15 | 2021年05月 | 10000円 | 346円 |
16 | 2021年06月 | 10000円 | 236円 |
17 | 2021年07月 | 8913円 | 108円 |
残高スライド方式のため初回から3回目の支払いまでは月々20000円、4回目から7回目までは15000円、8回目からは10000円、最後が8913円となります。
月々の支払いは20000円以下と家計に優しい金額ですが、最後までリボ払いで支払った場合の手数料総額は18913円。
20000円近く手数料がとられてしまうと考えると、決して安い金額ではありませんよね。
リボ払いのメリット
これまでご説明してきたリボ払いのメリットを挙げるとすれば、主に以下の2点でしょう。
毎月の支払い額が一定である
リボ払いのメリットは、なんといっても月々の支払い金額が一定であることです。
一括払いなどと異なりリボ払いでは毎月支払い額が変わらず一定なので、高額商品を購入しても支払い金額には影響がありません。
残高スライド方式でも、金額があらかじめ設定されているため支払い金額の予測がしやすくなっています。
十分な資金がなくても買い物ができる
リボ払いを利用すると、一括で購入するための十分な資金が手元になくても高額商品を購入することが可能になります。
また、資金に余裕ができた際には繰り上げ返済(まとめ払い)をすることもできます。
一定額の返済を行いつつ場合によっては繰り上げ返済によって利息の膨らみを抑えられるのも、リボ払いのメリットといえるでしょう。
リボ払いのデメリット
リボ払いは毎月の支払い金額が一定になるなどメリットがある一方で、巷では「やばい」と囁かれており利用する際には注意の必要な支払い方式です。
ここでは「やばい」といわれる理由である、リボ払いのデメリットについてご紹介していきます。
手数料がかかる
リボ払いの大きなデメリットは、手数料がかかるという点です。
リボ払いのショッピング枠の金利相場は、平均で15.00%ほどとなっています。
例えば5万円の商品を購入した際に毎月5000円のリボ払い(定額方式・元利定額方式)で返済する場合、返済し終わるまでに総額で3750円の手数料がかかります。
家計に余裕がない時こそリボ払いを利用したくなるものですが、決して安いとは言い難い手数料を考えるとおすすめはできません。
支払い残高によって支払い額が増減する
残高スライド方式や定率方式などに設定されている場合、支払い残高によって支払い金額も増減するため注意が必要です。
なかなか完済できない
リボ払いは気軽に利用できる分、使いすぎて支払い残高が高額になるとその分返済期間も長引いてしまいます。
例えば元利定額方式の場合毎月支払いしている金額のすべてが返済に充てられるわけではないため、想像以上に返済が進まず支払い残高が増える一方という状況に陥りやすくなります。
あなたにも起こりうる!知らぬ間にリボ払いになる最悪事例


インターネットでリボ払いについて検索していると「気づいたらリボ払いになっていた」という声がちらほら見受けられます。
ここまで読み進めてくださった皆さんは、リボ払いについてのメリット、デメリットについて把握されていると思います。
手数料が発生するという点においても、自分で設定した覚えがないのにリボ払いになっていたらショックですよね。
ではどのような場合に「知らぬ間にリボ払い」になってしまう可能性があるのでしょうか。
結論から申し上げると、事務的なミスやシステム上の問題など特例のないかぎりクレジットカード会社によって利用者の承諾なしにリボ払いに変更されることはありません。
つまり言い換えると、リボ払いへの変更は利用者自身の手によって行われていることがほとんどなのです。
それではなぜ、「知らぬ間にリボ払いになっている」状況に陥ってしまうのでしょうか?
初期設定がリボ払いになっている場合
クレジットカードを契約する際に、支払い方法がリボ払いに設定されている可能性があります。
支払い方法の確認を怠ると、リボ払い設定になっていることに気づかないままカードを利用することになります。
リボ払い専用カードの場合
クレジットカードの支払い方法がリボ払いのみ選択可能な、リボ専用カードというものがあります。
リボ専用カードであることに気づかず通常のカードだと思い込んで申し込みしてしまった場合には、すべての支払いがリボ払いになってしまいます。
リボ払いにチェックを入れていた場合
カード申し込み時に誤って「自動リボ」などのチェックボックスにチェックを入れてしまうことがあります。
自動リボとは、すべての買い物の支払いにリボ払いが適用されるようになる仕組みのことです。
クレジットカード会社によって名称は異なります(三井住友VISAカードでは「マイ・ペイすリボ」など)。
申し込みは個人情報の入力やチェック項目が多く確認がおろそかになってしまいがちですが、後の支払いにかかわることなのできちんと目を通しましょう。
間違えて自動リボを設定してしまっていた場合でも、支払い方法を変更することが可能です。
利用中のカード会社のホームページで変更方法を確認でき、インターネット上のマイページや電話にて変更することができます。
ただしこれまでに利用した分の支払い残高については、変更することができません。
繰り上げ返済等で手数料を抑えるなど別の方法を検討することが必要です。
絶対にやめてほしいリボ払い
絶対にやめてほしいのが、生活費や交通費、日用品代など日常的な支払いにリボ払いを利用することです。
例えば光熱費などは毎月必ず支払うものであり、リボ払いでは返済がいつまでも終わらず手数料がかさんでいく危険性があります。
リボ払いは「資金に余裕がないが今必要な高額商品を買いたいとき」など、利用頻度を限定して使うのが効果的です。
逆にリボ払いをしなければ日々の支払いができない状況であるならば、生活の収支を今一度見直してみてはいかがでしょうか。
「いらない買い物をしていないか」「家賃が高すぎないか」など、冷静な状況判断が家計管理の助けとなります。
リボ払いを安全に利用するには
リボ払いを安全に利用するには、様々な注意点があります。
利用を検討する際には、まず以下の点について確認しましょう。
✔ 支払い方式
リボ払いには「定額方式」「残高スライド方式」「定率方式」など、様々な支払い方式があります。
支払い方式により毎月の支払い金額や注意点が異なるので、それぞれの特徴についてきちんと理解した上で利用を開始しましょう。
✔ 金利
クレジット会社によって大きな金利の違いはありませんが毎月の支払い金額にもかかわるものなので、きちんと確認をしておきましょう。
✔ 利用可能枠
リボ払いは、利用可能枠内でのみ利用することができます。
一般的にリボ払いの利用可能額は一括払いの利用可能枠と異なることが多く、一括払いよりも低く設定されている場合があります。
またこの利用可能枠内には、まだ支払いの終わっていない支払い残高が含まれます。
例えば利用可能枠が50万円で支払いの済んでいない支払い残高が20万円の場合、利用できるのは残り30万円になるということです。
またリボ払いの利用開始後には、以下の点についても確認をしましょう。
✔ 利用明細
リボ払いの利用において最も注意していただきたいのは、支払い残高です。
支払い残高が増えれば増えるほど利息もかさみ、支払い総額も大きくなります。
そのため現在の支払い残高を把握しておくことは、今後の支出をコントロールするためにも非常に重要となります。
返済を行っている間は、毎月確認をするようにしましょう。
利用明細の確認方法は、主に以下の3つです。
✅ Web明細書(インターネット・アプリ)
✅ コールセンター
✅ 毎月郵送される利用明細書
リボ払いの支払い残高や、毎月元金が着実に減っていることを確認しましょう。
支払い残高が増えている場合は、リボ払いでの買い物量が以前よりも増えている可能性があります。
支出状況を見直し、クレジット利用を控え現金払いに変えるなどの対策を考えるべきでしょう。
リボ払いをする上で最も安全な利用方法は「完済するまで次の買い物をしない」ようにすることです。
そうすることで元金の減りが目に見えてわかり、過度な出費を抑えることができます。
大きい買い物をする際にのみリボ払いを利用するなど、利用機会を自分で制限するのも良いかもしれません。
✔ 資金に余裕があるかどうか
ボーナス月など今ある資金に余裕がある場合、繰り上げ返済や一括返済を検討しましょう。
リボ払いの特性上、支払い回数はできるだけ抑えたほうが手数料も少なくなります。
無駄な出費を抑えるためにも定期的に家計状況と支払い残高を見比べ、計画的な返済を行うことが重要です。
支払い残高が膨らんだら
リボ払いの支払い残高が膨らみ返済が困難になった場合、債務整理という方法をとることによって支払いの目処が立つ可能性があります。
債務整理についての詳しい説明はこちら:債務整理とは?個人再生から自己破産までわかりやすく解説
債務整理とは
債務整理とは、多額な借金や複数業者からの借金によって返済に困難をきたしている場合において法的に支払い計画を練り直すことをいいます。
債務整理には主に「個人再生」「任意整理」「自己破産」「特定調停」の4つの方法があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
リボ払いの返済が終わらない状況は、精神的に大きな負担になります。
どうしても返済の目処が立たない場合は債務整理を行い、生活を一度リセットするのもひとつの手です。
リボ払いも債務整理の対象
債務整理と聞くとなんだか大がかりでできる人も限られるように思われがちですが、ショッピングのリボ払いによる借金でも債務整理を行うことが可能です。
リボ払いで債務整理を行う場合、任意整理を選択する人が最も多いといわれています。
しかし借金額や収入額など個人の状況によって最適な方法は異なるので、債務整理を検討する際は司法書士や弁護士など専門家に相談することが得策です。
任意整理とは?メリット・デメリット
ここでは債務整理を行う上で最も選択されることの多い任意整理について、メリット・デメリットとともに解説していきます。
任意整理とは、債務者による任意の借入先の借金を減額することのできる債務整理の方法です。
債務者とは特定の人に対し金銭を支払う・物品を譲渡するなど、法的に義務を負っている人のこと。
ここでは、借金を返さなければならない人のことを債務者といいます。
例えば、


など複数業者からの借金の内特定のもののみ債務整理を行いたい場合に、任意整理は有効です。
任意整理のメリットとしては、以下が挙げられます。
✔ 借金の利息をカットできる
リボ払いにおいて任意整理をする最大のメリットは、借金の利息をカットできる点です。
例えば現在200万円の借金がある場合、任意整理による和解交渉成立後は利息なしで元本である200万円のみを返済していくことになります。
5年払いですと毎月33300円程までになり、家計の負担も大きく減らせるといえるでしょう。
任意整理前ではいくら返済しても利息のせいで支払い残高がなかなか減らず、完済までのゴールが見えづらくなっています。
しかし任意整理を行えば返済する分だけ元本も引かれていくので、完済の目処が立ち精神的にも大きな負担なく返済を続けていくことが可能となります。
✔ 債務整理先を選べる
他の債務整理方法である個人再生や自己破産では債務整理先を選ぶことができないため、自分が必要だと感じているものも整理対象となってしまう可能性があります。
一方で任意整理では、債務者自ら整理先を選択することができます。
例えば地方在住者の場合、通勤や買い物などで日常的に自動車の運転をする機会が多いと思います。
そのような方々にとっては、生活において自動車はなくてはならない存在です。
任意整理ではこのような場合でも自動車ローン以外の借金を整理することで、日常生活を保ちながら返済の負担を軽減できるのです。
✔ 取り立て・督促をストップできる
任意整理を含む債務整理を司法書士や弁護士などの専門家に依頼した場合、借入先の業者に「受任通知」というものが送付されることになります。
受任通知を受け取った業者は、法的な義務として債務者への取り立てや督促をただちに停止しなければなりません。
そのため、取り立てなどによる債務者の精神的な負担を軽減することが可能です。
対して任意整理のデメリットとしては、以下が挙げられます。
✔ 借金の減額率が低い
任意整理は他の債務整理と異なり、借金の元本自体は減額できす利息のみカットする方法です。
そのため、比較的借金の減額率は低くなります。
大幅な借金の減額を希望する方は、個人再生という方法を視野に入れても良いかもしれません。
✔ ブラックリストに載る
任意整理を行うと、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。
これは信用情報機関に事故情報が登録されることを意味し、約5~10年間ある事項に制限がかかります。
例としては、以下の通りです。
✅ 新規借入れができない
✅ ローンが組めない
✅ クレジットカードが作れない
✅ クレジットカードが使えない
✅ 分割払いができない
返済に不安を感じたら早めに専門家に相談を
いかがでしたでしょうか?
今回は巷でよく聞く「リボ払い」について、わかりやすく解説してみました。
リボ払いは毎月の支払い金額が一定になり家計管理の助けになるなどメリットがある一方で、「やばい」といわれているように利息がかさみ返済の目処が立たなくなりやすいなど注意点もあります。
返済に困難を覚えたら、早めに司法書士や弁護士などの専門家に相談することが重要です。
任意整理以外にも個人再生や自己破産など、様々な債務整理方法があります。
選択すべき方法は個人の状況によって異なります。
リボ払いでのトラブルの際は、お早めにご連絡ください。
しおり綜合法務事務所では、無料での電話相談を行っております。
依頼者様の状況において、最も適した債務整理の方法をご提案します。

司法書士しおり綜合法律事務所
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